2015年9月2日水曜日

環境半減期

夏休みもおわり、季は秋に移ろうと云う頃──
黒姫山麓の夏は前半はほどほどに暑く後半は日照不順という昨年に似た夏で終わろうとしております、こんな天候で、いまや信濃町の風物ともいうべき黒姫山麓の夏野菜、その代表格のトウモロコシは前半に過熟、後半は未熟となり、過熟で出荷できなかったものも相当あったようです。トマトなども例年のように大地の豊穣を寿ぐというまでには至りませんでした、それでも各地から伝えられるような気象災害におそわれることもなく、いちはやい秋雨前線は思ったよりも長居していますけれども、今はしづかに夏を終えようとしています・・・

さて春の山菜につづく夏野菜ですが、農産品から放射性セシウムが懸念されるほどに検出されることはまずないと認識されているせいか、私たちの測定所も閑古鳥啼くのみの日々が続いています。どちらかと云えば良きことなのでこれを嘆くことなく、測定体制の維持に黙々と努めております!!!

こんな記事があります:
 タニムラボレター No.034 放射性セシウムの溜まりやすい箇所
 http://www.cnic.jp/6594
福島の原発メルトダウン事故のはるかな昔から、原発の危険性、核物質の危険性を世に知らしめる活動を担ってきた「原子力資料情報室」の機関紙に掲載されたものです。このなかに〝2014年までは、全体として放射性セシウム濃度が順調に減衰しているように見えましたが、今年の測定では1点が前年の倍の値に大きく跳ね上がっていました。同じ生産者から購入した商品にこのような振る舞いが見られたということは、茶畑の中の茶の木の放射能汚染が場所によって濃度にばらつきがあること、または天候や収穫などの条件の違いによって葉へのセシウムの移行率が異なることを示唆します〟と云う一節がありますけれども、このような事態が生じることはチェルノブイリ事故に際しても認識されており、今では生態学的半減期とか環境半減期と云う言葉が用いられるようになっています。環境に撒かれた放射性物質は物理的半減期に従って消滅してゆくもので無いことを時どきでも思いだして、身辺を眺めなおしてみることもまだまだ核汚染に対するひとつの視点とせねばならないでしょう。(yos)

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